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少子化や嗜好の多様化により低成長が続く日本のコーラ飲料業界。市場の成熟に加え、今年は原材料や物流コストの上昇に直面し、各社は商品の品ぞろえや販売方法に知恵を絞る。2026年5月時点での国内の主要清涼飲料5社(日本コカ・コーラ、サントリー、ダイドー、アサヒ飲料、キリン飲料/ビール)の家庭向け通年販売(非限定商品)のコーラ飲料の製品ポートフォリオを切り取り、各社の販売戦略を比較してみた。
→ [参照記事] コーラ・ポートフォリオレビュー 2025.04 日本コカ・コーラ/コカ・コーラシステム
国内コーラ市場トップシェアのコカ・コーラはフラグシップのCoca-Colaを中心に、ゼロカロリーのCoca-Cola Zero, Cola-Cola Zero Caffeine、特定保健用食品のCoca-Cola Plusの4種類というシンプルなラインナップ(アルコールRTDは後述)を展開する。これは昨年ののポートフォリオと同じ顔ぶれで、Diet Cokeを復活させた北米やフレーバーを拡充する東南アジアに比べると変化に乏しい1年となった。 日本のコカ・コーラの特徴は同一製品のパッケージ・サイズ種類の多さだ。コカ・コーラボトラーズジャパンのIR資料には、すべてのセグメントで「パッケージ戦略」が営業戦略に登場する。2026年5月現在の家庭向けCoca-ColaのパッケージはPET9種類、缶6種類+瓶1種類の17種類にも及ぶ。 その中でも特徴的なのが250ml缶と190ml 瓶だ。 コカ・コーラジャパンは自社自販機で主力の500mlPETに加えて、250ml缶の導入を昨年から進めている。前年10月の値上げを反映して500mlPETを170円〜200円に設定する一方で、この250ml缶は価格据置きの100〜110円で販売されるケースが多い。容量に差はあれどこの価格設定はメーカー自販機としては最安値の域で、自販機の250ml缶は低価格で数量を取りに行くコモディティ市場向け商品と考えられる。この春からは一部地域で同サイズのCoca-Cola ZeroやFIFA記念缶の導入も始まり、同社がこのサイズに注力していることが伺える。
250ml缶と対照的なのがCoca-Cola 190ml瓶だ。コカ・コーラジャパンはこの190ml瓶を「唯一無二のアセット」と位置づけ、差別化・高付加価値戦略を進める。190ml瓶はシンボリックな形状やガラスの質感、栓抜き経験など「特別感」があり、缶やPETに比べて高い価格が受け入れられやすい。遊園地などのイベント会場での拡販に加え、4月には外食店向けの認証制度を導入し従来のディスペンサーから瓶への置き換えを進めている。(→リンク)。 「Coca-Cola」のブランド価値が圧倒的に強いコカ・コーラジャパンは商品の種類を絞り、サイズ・パッケージの最適化とバリュープライシングでブランド価値の向上とビジネスの最大化を図る。
サントリーフーズ
国内のペプシコーラのマスターフランチャイズ権を持つサントリーは、傘下のサントリーフーズがペプシコーラの製造販売とマーケティングを担当する。 サントリーは昨年と同じく、日本で独自に開発したオリジナルコーラ「ペプシ<生>」シリーズををフラグシップに据える。2021年発売の<生>シリーズはスパイス感と量産性を両立させたブランドで、26年4月現在ペプシ<生> BIG COLA・ペプシ<生>BIG ZERO・ペプシ<生>BIG ZERO LEMONの3種類が通年販売されている。 一方オリジナルブランドのPEPSI COLAの販売は飲食店などB2Cがメインで、家庭向けは自販機やスーパー、一部コンビニに限られる。パッケージは160ml缶、500ml缶と1470mlPETの3種類のみで、売れ筋の600-480ml PETや350ml缶がメインのペプシ<生>シリーズと明確な棲み分けがされている。自販機の500ml缶は170円程度と高め設定が多く、<生>との喰い合いを避ける戦略を取る。 サイズで差別化を図るコカ・コーラと対照的に、サントリーはペプシの商品バリエーションをより広く取りながら1商品ごとのパッケージの種類を絞る。コカ・コーラが家庭用に17種類のパッケージを展開するのに対し、ペプシコーラは500ml缶, 160ml缶と1500PETの3種類のみである。 これらの主力製品に、小容量でカフェインを強化したショットタイプのペプシリフレッシュショットと特定保健用食品のPEPSI Specialを加えた6種類のペプシを常時商品として揃える。また4月28日にはベリー&バニラフレーバーの限定商品「PEPSI Zero Americana」を発売するなど、ペプシブランドに投資しているのは嬉しいところだ。 サントリーにとってペプシは数ある飲料ブランドの一つに過ぎず、Coca-Colaをコアビジネスに位置づける日本コカ・コーラとは戦略が異なる。コーラ好きのコア層にはペプシ、若年層にはエナジードリンク「Zone」や新製品「「NOPE(ノープ)」等の商品を位置づけている。
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